整体術とは?・その5



整体術の基礎理論

<変位を整復する>

関節と関節は、その可動性のため限界以上の負荷、偏った可動、筋肉等の軟部組織の短縮により、変位(サブラクセーション)が発生します。

関節間は、関節腔内圧により脱臼を防いでいることは先に述べましたが、この関節腔内圧が変位を整復(アジャストメント)するにあたっては邪魔者となってしまうのです。

そこでまず、アジャストメントにあたっては、関節腔内圧を減圧する必要があります。
減圧によって関節腔内を外気圧に近づかせ、関節の“不安定性”を生じさせます。

減圧とは難しそうですが、基本的には関節面を離開させることです。

  離開の手段は、関節の部位構造によって、「牽引・押圧・回旋・etc」と異なりますが、関節面の離開によって、靭帯及び関節包の伸長は可動領域の物理的限界に達し、関節腔内において気泡(キャビテーション)が発生します。

キャビテーションの発生は一瞬であり、この時こそが関節可動域が最大になる瞬間なのです。


<キャビテーションとは?>

1、関節腔内圧の減圧によって滑液中に融解している二酸化炭素等、各種物質が瞬間的に気化。

2、関節腔内に“気泡”発生。空洞(キャビティー)ができる。

3、低圧域(減圧された側)へ反対側からの滑液が流れ込み、気泡を破壊。

上記1〜3が関節腔内における気泡発生から破壊の流れです。
破壊された気泡の衝撃波によるクラック音が、聴覚できる「ボキッ!」や「バキバキッ!」であります。

この衝撃波による関節表面軟骨の破壊は否めず、手技による突発的な力(スラスト)を必要とするため、筋緊張下においては筋・靭帯・骨を損傷しかねません。

よって、関節腔内圧を“安易”に急速減圧させることには、注意が必要です!


※関節が“鳴った”時、その周囲が「スッキリする」感覚については後述したいと思います。

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